[冬が来るよ。]
空が白くなってきた。真っ青な寒空の下に飛び出そうとしたシラバブは、
マンカスに呼び止められ、白いマフラーをまきまきにされた。
どうやら彼のお手製らしく、編み目がボコボコしていた。
「にーやん上手ね」
バブが嬉しそうに言うと、マンカスは行ってらっしゃいと頬笑んだ。
また、ミストも寝床を出るときに、それに似たようなことになっていた。
まあ、バブほどあたたかい話ではなかったが。
「ちょっとタガーやめてよ・・・!!」
「ちびはあったけぇ〜〜〜〜〜vv」
「チビって言うなこの馬鹿!!!」
寒い寒いとタガーが擦り寄り、ミストを放してくれなかった。
ミストのような仔猫は、体温が高い。
「この気まぐれ猫!寒いときは裸なんでしょ!?」
「気が向いた時だけなvv」
「に゛ゃ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
どうやら、今日はタガーに付き合ってやる他ないらしい、とミストは苦笑した。
そして、後ちびっこがいるといえば。
家の扉を勢いよく開け放ち、いってきまーす!と叫ぶ声。
コリコとギルだ。ギルのいつもの練習に、コリコが付き合うらしい。
出ていったと思った瞬間、また扉が音をたてる。
「さみー!!ラン派すー!マフラーと手袋!!」
「そう言って戻ってくると思って、ハイ。」
ランパスの手には、黄色とオレンジのマフラーと手袋があった。
「えっ、新品!?買ったのランパス!!」
コリコとギルが、目をキラキラさせている。
ランパスは、彼らに手のモノを渡して、頭に手を置く。
「ジェニエニおばさんからの貰い物だ」
「に゛ゃっ!?元ゴキブリ専用!!?」
「そんなわけあるか。お手製だって言ってたぞ?」
頭の手をどけて、ランパスは行って来い、と笑った。
ふゆがくるよ。
END