昨日、ジェニエニおばさんに言われたの。 バブは、大きくなったら何になりたいの? どんな女の子になりたいの? バブ、そんなこと思ったこともなかった。 そうか。バブだって、にーやんやボンバル ねーやんみたいに、大きくなる日がくるん だ。忘れてたや。 でも、バブは大きくなって、なんにでもな れるんなら、なりたいものがあるの。 それはね、それは、 不思議の国のアリス 大きくなったり、小さくなったり、お花さ んとお話しして、うさぎさんを追いかける。 なんだか、とっても素敵でしょ? ジェニエニおばさんに、伝えなくっちゃ。 「おばさんおばさん!あたしね、アリスに なりたいなぁ」 「まあ、素敵な夢じゃないか。バブらしい ねぇ。にいちゃんにも教えてあげなよ」 「うんっ!!」 ジェニエニおばさんが素敵って言ってくれ た夢、にーやんもそう言ってくれるかな。 ぱとろーる中のにーやんをつかまえて、教 えてあげるの。 「あのね、にーやん!バブね、バブね」 「落ち着いて放していいよ、バブが?」 「バブ、大きくなったらアリスちゃんにな るの!」 あれ?喜んでくれないの? にーやんはおどろいたって顔でカチコチに なっちゃった。つまんないなぁ。 そうよね、にーやんは男の子だから、わか んないのよ。だって、アリスは女の子だも ん。きっと、にーやんはもう大人だから、 大人になったらっていうのはいらないんだ。 「にーやんが、女の子だったらいいのにな」 「な・なに言ってるんだバブ!」 「だって、バブおねーやんが欲しいよ」 あ、にーやん、また固まっちゃった。 もう、おもしろくないんだから。つまんな いから、ジェリロのところに行こうかな。 そう思ってたら、にーやんにいつのまにか 抱えられて、気付いたらジェニエニおばさ んの家に戻ってた。 「あらあらマンカスどうしたのさ、そんな 急いで」 ミストとおばさんの口調は、ちょっと似て るの。きっと、ミストがよくご飯を食べに 来るからね。ミスト、おばさんの口調がう つっちゃったのよ。多分。 「シラバブが・・・姉が欲しいと・・・俺 みたいな兄貴はいらないと・・・」 「おやおや、また被害妄想かい?シラバブ、 にーさんはイラナイと言ったのかい?」 「おばさん、バブはそんなこと言っていな いわ。ねーやんが欲しいとは、言ったけど」 おばさんが、自分の子供を見るような目で、 にーやんを見て困った顔をして。 この子の被害妄想には困ったもんだねぇ、 と綺麗なオレンジ色の頭をかいた。 「ほーらマンカス、だーれもあんたをいら ないなんて、言っちゃいないよ、もぅ」 「・・・でも、バブ・・・アリスになりた いとか・・・言い出しまして・・・」 えっ?なによにーやんったら。馬鹿にして るのね。 青虫さんから大きくなれるきのこをもらっ たって、もうにーやんにはあげないんだか ら。 「いいじゃない、可愛い夢じゃないさ」 「でも・・・いざ無理だと知ったときの反 応が怖いんです」 「ばっかだねぇ、そんな弱い子じゃないよ、 バブは!あんたがしっかりしないで、ど・ う・す・る・ん・だ・い!!」 「ごめんなさい・・・」 コソコソおばさんとにーやんが話してるこ と、バブにはちっとも聞こえなかったけど、 にーやんがおばさんにポカポカ叩かれてる のは見えた。 にーやんが頭にコブを作って帰ってきたけ ど、いつものことだから気にしないの。 「おばさん、さよなら!」 「あぁさようなら、バブ。あんたのにーさ んは、お前さんのことになるとトコトン馬 鹿になるからさ、そんときゃバシィッ!と 叩いてやるのが一番だよっ!!」 「うん、わかったー!」 「わ・わからなくていいぞシラバブ・・・」 「ムッ!バシィーーーッン!!」 ペチンとしかならなかったけど、にーやん はちょっと泣いてるから、痛かったのかな? ジェニエニおばさんみたいなオレンジが、 ゆーっくり遠くに沈んでいく。 これが、今日も終わりっていう合図だね。 にーやんに教わった、素敵な合図だよね。 「にーやん、バブ、アリスになるねっ!」 「うん、そうだな・・・」 「そうしたら、にーやんに大きくなれるク ッキーをあげるね!」 「うん、そうだな」 「にーやんは男の子だから、青いやつがい いね」 「うん、そうだな」 「うん、そうだねっ!」 アリスみたいな可愛い女の子なら、にーやんももっと好きって言ってくれるかな。 バブ、なれますようにって、今日のオレンジの合図にお願いするよ。                 FIN
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